広幅アームサポート編


■ユーキトレーディング様の”広幅アームサポート”です。



 私がこの製品の良さを知ったのは,左片麻痺で側弯が進み,円背も進行している方と出会ったときです。

この用具は,利用者さんの体幹を中立位に保持できるよう,シーティング調整の幅を広げるためのものです。


 話が変わりますが,今の介護認定の実情では,片麻痺で要介護2を取るのは難しいと思います。そうなると,利用者さんのご家族は自前で車いすを購入される訳です。

 車いすを購入するにあたり,一般の方が多機能やモジュール型車いすを購入するとなると,10万円前後になります。 障がいを持って間もない利用者さんですと,ご自身も体力がありますし,ご家族のお財布事情もありますから,多機能は選ばずにお手頃価格の標準型車いすを購入することになります。

 標準型車いすでは,ひじ掛けの高さ調整はできませんし,ひじ掛けの幅は4cm程度しかありません。
普通に乗っていても,麻痺側の肘はひじ掛けから脱落して,その都度おっこちた麻痺側の肘を,再度健側の腕でひじ掛けに乗せなおすことになるのでしょう。

 疲れてうとうとして,麻痺側に傾いたまま眠ってしまったりする日々を積み重ねているうちに,気が付けば大きく側弯が進展しているのではないかと思うのです。


 話を戻します。 冒頭にお話しした,側弯の進んだ方のご家族の方がこの用具を見たときに,「もっと前にこういう用具があるのを知っていればねえ。」と仰ったのです。 かなり強烈に,福祉用具の普及の悪さや開発の遅さを感じました。 ニーズに合致したときのこの製品の良さも,強く感じました。


 我々福祉用具屋も日々勉強して,こういった良い用具を適切に提供できるようにしないといけません。

 他方で,要介護状態になってから初めて車いす関連の用具に介護保険が使える,というような後手に回らざるを得ない制度,利用者さんご家族に受け身のマインドを作ってしまうような制度には,相当な疑問を感じます。
 このところ,国費における介護保険サービスの支出圧縮がニュースになっています。介護保険制度改正による自己負担の拡大が,介護予防に対する適切な支出を躊躇させるようなことがあってはならないと感じます。




 ユーキトレーディングさんの広幅アームサポートは,安価な標準型車いすにジャストフィットします。麻痺側のひじ掛けをかなり高くまで上げられて,ひじ掛けの幅も普通の車いすの倍ほどあります。
 この用具を使えば,麻痺側に傾いていく体をわきの下で支えられるため,より効果的に側弯の予防ができると思います。  安価な車いすでも,良質のひじ掛けを使うことができるのです。


 このように,広幅アームサポートはナイスな福祉用具なのですが,ひとつ難点があります。
この用具,標準型車いすにはジャストフィットするのですが,逆にひじ掛けの跳ね上げがついた多機能型やモジュール型の車いすには,簡単には付けられないのです。 これはもったいない。。。
 (使ったことがある方でないと分からない理由があるのです。)


 そこで,もんちゃんではひじかけ跳ね上げができる車いすにも,広幅アームサポートが取り付けられるように工夫をしました。(車いすの機種により工夫の仕方が変わります。)



 もし,多機能型車いすでこのようなひじ掛けを使ってみたい方がいらっしゃったら,もんちゃんにご相談下さい! うまく取り付けてみます!
ここでは,パイプフレームに穴加工や溶接固定をしないように,側板を木材に変更しています。 ご要望がありましたら,溶接や機械加工をしてカッコよく取り付けることもできます。

 MS−333 ”アームサポートハイトアジャスター”

 余談ですが,上の写真のMIKI製BALシリーズには,メーカー純正オプションで高さ調節用の部品が用意されています。
 広幅アームサポート程の調整幅やアームレスト自体の幅はありませんが,ちょっとだけ高くしたい方はこちらをドウゾ。

 ※ 車いすに追加工はしないで,原状復帰が可能な方法で取り付けますので,ご安心下さい!  福祉用具のカスタマイズでは,そこがミソです。